沿革

◆横浜植物会は、日本初の植物同好会です
1909(明治42)年
10月
横浜植物会創立。当時、東京理科大学講師の牧野富太郎を指導者とし、県立第一中学校教師松野重太郎が中心となり、原虎之助ほか5名が発起人となって創立された。創立当初の事務所は弁天通の丸善薬店だったが、大正のはじめ頃から馬車道にある平安堂薬局に移り、清水藤太郎が会の世話をされた。会の行事は毎月1回第3日曜日を例会日と定め、冬は第一中学校博物学教室で牧野博士の講演や植物標本の同定が行なわれた。野外の例会では、箱根、丹沢、神武寺、逗子二子山、大磯高麗山、保土ヶ谷西谷など、県内をくまなく歩き回った。当時は交通の便も悪く、大変な苦労で、ときに途中1泊して行なわれた。初期の会員には、久内清孝、澤田武太郎、宮代周輔、籾山泰一、朝比奈貞一、舘脇操、岡田要之助など、そうそうたるメンバーが名を連ねていた。牧野富太郎が1916(大正5)年に創刊した「植物研究雑誌」には会の事蹟がしばしば掲載されている。
1933(昭和8)年
7月
日本ではじめての地方植物誌である「神奈川縣植物目録」が刊行された。会の久内清孝や清水藤太郎も協力し、松野重太郎が中心となり編纂した。
1958(昭和33)年
6月
「神奈川縣植物目録」を改訂・増補した「神奈川県植物誌」が刊行された。会では大谷茂、伊達健夫、淺井康宏らが編纂・執筆している。この年の8月、横浜植物会主催の「植物展」を有隣堂本店5階ギャラリーで開催し、さく葉標本を中心に、写真、鉢植えなどを展示、好評を博した。この展示会は1974(昭和49)年まで継続し、開催回数は17回を数えた。
1964(昭和39)年
11月3日
第13回神奈川文化賞を受賞。この頃の記録は少なく、はっきりしたことは分からないが、大谷茂、府川勝蔵、清水藤太郎、久保田金蔵、伊達健夫の5名が幹事として運営に携わっていた。事務は伊達健夫が担当。
1971(昭和46)年
会の運営は村上司郎を代表とする数名の運営委員があたるようになり、事務所を村上司郎宅におく。この年、会報を発刊。3号より大谷茂が「ボタニカルノート」を連載、1981(昭和56)年に逝去されるまで65回(75号まで)にわたり連載。その後村上司郎が引き継ぎ、1995(平成7)年より高橋秀男が「植物観察ノート」として連載し、今日に至る。
1972(昭和47)年 横浜植物会年報 を発刊。現在まで継続。
1981(昭和56)年
11月14日
創立70周年記念式典が横浜市開港記念会館講堂において行なわれた。記念講演は、東京大学名誉教授前川文夫「植物の進化をどう考えるか」。
1988(昭和63)年
3月
「神奈川県植物誌1988」が神奈川県植物誌調査会の編集により刊行。会員が調査、執筆に参画。
1989(平成元年)年
10月28日
創立80周年記念式典が横浜市職能開発総合センターにおいて行なわれた。記念講演は、東京大学名誉教授木村陽二郎「日本の開国思想と植物学の歴史」。また、80周年記念行事の一環として、この年の4月から1991(平成3)年3月まで「やさしい植物講座」を開催。
1993(平成5)年 横浜市に寄贈された植物標本「宮代コレクション」の整理を横浜市緑政局より委託される。
1995(平成7)年 高橋秀男が会長に就任。事務所は堀川美哉宅に移る。この年11月、会の編集で、横浜の市民の森や公園などの身近な植物観察地を紹介した「ヨコハマ植物散歩−市民の森と身近な自然−」を刊行。
1996(平成8)年 「横浜の植物」と「神奈川県植物誌2001」刊行に向けた調査がはじまり、多数の会員が参加。標本は横浜市こども植物園に収蔵され、その整理作業にも従事。
2001(平成13)年
3月
委託事業「宮代コレクション」の整理が終了し、横浜市緑政局より「宮代コレクション植物標本目録」が刊行された。この年7月には、「神奈川県植物誌2001」が刊行。同書の横浜市の調査の大部分は会員が担当した。また、同月11日、神奈川新聞「横浜瓦版」に「ハマの植物図鑑」と題した連載がはじまる。
2001(平成13)年
12月9日
創立90周年記念式典が横浜アカデミー会館において行なわれた。記念講演は、本会顧問淺井康宏「横浜植物会と帰化植物」。
2003(平成15)年
6月
第11回横浜環境保全活動賞受賞
2003(平成15)年
7月
『横浜の植物』刊行
2003(平成15)年
12月
平成15年度安藤為次記念賞
2004(平成16)年
3月
2001年3月以来、神奈川新聞「横浜瓦版」に連載していた「ハマの植物図鑑」の連載が終了。
2004(平成16)年
6月
平成16年度環境大臣賞を受賞
2009(平成21)年
10月25日
創立100周年記念式典が横浜国際ホテルにおいて行われた。記念講演は東京大学名誉教授の大場秀章先生「多様性を俯瞰する試みー植物分類体系の歴史を追う」。
横浜植物会の歴史ー創立100周年記念誌』刊行。
2010(平成22)年
12月
神奈川県立生命の星・地球博物館 企画展
「日本最初の植物同好会 〜横浜植物会の100年〜」
(会期;2010年12月11日〜2011年2月27日 63日間)
生命の星・地球博物館と共催し、横浜植物会100年にわたる活動の歴史を植物標本や写真・書簡などで紹介した。
12月18日には第94回サロン・ド・小田原で「日本最初の植物会、横浜植物会の果たした役割」と題し、田中徳久(博物館学芸員・会運営委員)が記念講演を行った。
2012(平成23)年 事務所が渡辺重彦宅に移る。
2019(令和元)年 勝山輝男が会長に就任。
2020(令和2)年 横浜植物会の歴史ー創立111周年記念誌』(年報50号特別号)刊行。
2020(令和2)年 横浜の植物2020─横浜の植物(2003)補遺─』刊行。
2021(令和3)年6月 第28回横浜環境活動賞大賞および生物多様性特別賞受賞
2023(令和5)年9月 第72回横浜文化賞受賞
 

運営組織


会長 勝 山 輝 男
運営委員 佐々木 あや子
大 井 信 一
市 川 正 美
五十嵐 愛
難 波 昭 雄
小 暮 孝 雄
磯辺 美由紀
佐 竹 順 子
田 中 徳 久
渡 辺 重 彦
野 島 由 美
水 上 眞知子
佐々木 シゲ子
菅 野 結花
望 月 なぎさ
西野 左由利

監査 青 木 清 勝
田 中 京 子
顧問 大 森 雄 治
佐 橋 紀 男