活動報告

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富士山五合目で高山植物観察会
2025.7.16


荒原で観察する参加者

 勝山会長と、あらかじめ申し込みを行った参加者28名が早朝の大雨の横浜駅に集い、大型バスに乗り込みました。3日続きの悪天予報の中日にあたってしまい、昨日から富士スバルラインが閉鎖中だったので一同意気消沈。しかし足柄PAで道路開通の報せを受け、なんとか予定通りに実施することができました。車内で勝山会長、田中運営委員のミニレクチャーのあと、スバルラインを登攀しながら、徐々に変わってゆく植物群落を車窓から観ることができました。標高が上がると青空ものぞいてきてお中道は入口から見慣れない高山の植物が並んでいます。シラビソには地衣類のサルオガセがたなびき、積もった針葉樹の落ち葉の香りが立ち込めています。林床ではハクサンシャクナゲの開花が見事で、桃色の蕾と大きな毬状の花房に雨滴が輝いてみえました。ふかふかしたコケの傍らにはコケモモやイチヤクソウ類、ウサギシダやイワセントウソウなどが生えています。ザクザクした火山岩の荒原に出ると風景は一変し、オンタデやフジハタザオ、イワツメクサやイワオウギなど、厳しい環境圧に耐えるパイオニア植物達が観察できました。時折横殴りになる雨風を受けつつでも、お弁当は夏空の下で開くことができました。午後は自由散策で奥庭自然公園へ進み、ミヤマフタバランやミヤマハンショウヅルの花などをじっくり観察できた人もいたようです。15時前、再び朝のような豪雨となり、逃げ込むようにバスに乗り込んで帰路につきました。(菅野 記)

■当日観察した植物   ※詳細は年報に記載
〇サルオガセ科:サルオガセ(地衣類)、〇ナヨシダ科:ウサギシダ、〇ヒメシダ科:ミヤマワラビ、〇メシダ科:ヘビノネゴザ、〇マツ科:カラマツ・コメツガ・シラビソ、〇ユリ科:ツバメオモト、〇ラン科:ミヤマフタバラン、〇クサスギカズラ科:マイヅルソウ、〇イグサ科:イトイ、〇カヤツリグサ科:イワスゲ・ニイタカスゲ・ヒメスゲ、〇キンポウゲ科:ミヤマハンショウヅル、〇マメ科:ムラサキモメンヅル・イワオウギ、〇バラ科:ナナカマド・シロバナノヘビイチゴ・タカネバラ、〇カバノキ科:ミヤマハンノキ・ダケカンバ、〇ヤナギ科:ミヤマヤナギ、〇アブラナ科:フジハタザオ、〇タデ科:オンタデ・イタドリ(メイゲツソウ)、〇ナデシコ科:イワツメクサ、〇サクラソウ科:ツマトリソウ、〇ツツジ科:ハクサンシャクナゲ・ハコネハナヒリノキ・コケモモ・コバノイチヤクソウ・ベニバナイチヤクソウ・ウスノキ・コイチヤクソウ・シャクジョウソウ・ギンリョウソウ、〇キキョウ科:ヤマホタルブクロ、〇キク科:ミヤマオトコヨモギ・ヤハズヒゴタイ・ミヤマアキノキリンソウ、セリ科:イワセントウソウなど

イワセントウソウ
コケモモ
イワオウギ
ミヤマハンショウヅル

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