熱中症を警戒して8月例会が室内講演会となったため、9月例会は野外での久しぶりの観察会であった。10時15分に箱根湿生花園の入口前に集合した。天候にも恵まれ、34名もの参加者が集まり、団体料金で入園することが出来た。
園内の見どころの看板の前で勝山会長からお話をいただき、湿原復元実験区を目指して外周を時計回りに観察を始めた。
タニジャコウソウがきれいに咲いていた。ジャコウソウに比べ花柄が長く、花の色も濃いようである。ヒトツバカエデ(マルバカエデ)の実、アズマレイジンソウやオクトリカブト、ヒメシロネの花などを観察し、湿原に出る前に水分補給をした後、いよいよ湿原復元実験区の観察を開始した。この辺りの白い菊はサワシロギクで、低い位置にはヨシがあるが、傾斜の上の方はススキになり、菊もノコンギクが出てくると教わった。湿原にはキセルアザミ、サワギキョウ、アケボノソウ、キンミズヒキ、タムラソウなどたくさんの花が咲いており、参加者は時間を忘れ、写真を撮ることに夢中になっていた。ムラサキミミカキグサは大分実になってしまっていたが、少しだけ紫色の花が残っていた。数年前に観察した時より増えているようでうれしい限りである。
ハコネキンミズヒキとヒメキンミズヒキとキンミズヒキを見比べた。ハコネキンミズヒキは茎を抱いているのが観察できた。実験区をゆっくり観察していたらお昼を過ぎてしまったので、満開のサクラタデや色鮮やかなアサマフウロを横目に入口付近に戻り、中締めをしてから昼食をとった。
昼食後も残って観察するのは有志の数名位かと思っていたが、ほとんどの参加者が集合場所に集まっており、観察会を楽しんでいただいているのが伝わってきた。カラコギカエデの実やアカメヤナギの芽、キントキヒゴタイの花の咲き始めなどを観察して、14時半ころ解散した。(五十嵐 記)
■当日観察した植物 ※詳細は年報に記載
サンカクイ・(キミノ?)ウラジロノキ・キバナアキギリ・クロウメモドキ・タニジャコウソウ・ジャコウソウ・ヒトツバカエデ(マルバカエデ)・ミズバショウ・アズマレイジンソウ・イヌショウマ・オクトリカブト・ヒメシロネ・アカバナ・アブラガヤ・ミツカドシカクイ・サワシロギク・キセルアザミ・サワギキョウ・アケボノソウ・アギナシ・タカクマヒキオコシ・キンミズヒキ・ヒメキンミズヒキ・ハコネキンミズヒキ・タムラソウ・ムラサキミミカキグサ・ニッポンイヌノヒゲ・サクラタデ・アサマフウロ・ツチアケビ・カラコギカエデ・アカメヤナギ・キントキヒゴタイ・シュロソウ・ミヤコアザミ