10月にしては蒸し暑さのある当日、総勢25名が湯河原駅に集いました。バスに揺られ、登山口を10時半ごろに出発。幕山は、太古に溶岩ドームが冷えてできた岩山で、登り一辺倒な行程です。
梅林から幕岩までの両側は人の背丈ほどにもなったヒキオコシの花が盛りで、挟まれるようにして進みました。ヤマハッカやオミナエシ、コシオガマといった草地の草本も多く開花しています。残念ながらサクラガンピは花が終わっていました。一方、森の中に入るとオオバヤシャブシやイヌガヤが目につきますが、ヒノキの林で視界は薄暗く、しかし立ち止まればなにがしかの植物があり楽しめました。熟れたサルナシの果実の香りをかいだり、赤くなり始めたサルトリイバラを見つけたりと、果実の季節に差し掛かったことも感じながら、ゆっくりつづら折りを登ります。
あづま屋付近で昼食をとった後の山道では、オカダイコンの大きな株を前にし、「平滑」と表現される痩果の表面を確認しました。シロヨメナやタイアザミ、三行脈をもつドクウツギやシバヤナギも観察されました。幸いなことに、下見で見当たらなかったキクアザミを勝山会長が見つけ、その後、同じトウヒレン属のミヤコアザミと比べることができました。
山頂付近では凛々しいアセビやネジキの大木、ヒメシャラなどがまばらに生える‘岩山らしさ,を感じることができました。山頂をめぐる周回路は残念ながら藪化していました。帰路は足元に集中しゆっくりと下山、16時台のバスで湯河原駅に戻りました。(菅野記)
■当日観察した植物 ※詳細は年報に記載
メナモミ、ヒキオコシ、ヤマハッカ、ヒメキンミズヒキ、ナガバヤブマオ、カラムシ、クマヤブマオ、オオバコアカソ、イヌトウバナ、アキノノゲシ、ヒメアブラススキ、オミナエシ、コシオガマ、ヤマラッキョウ、コメナモミ、アブラススキ、ワレモコウ、オトコエシ、タイアザミ、カントウヨメナ、ネナシカズラ、シラヤマギク、タムラソウ、オトギリソウ、センボンヤリ、ガマズミ、サクラガンピ、コアジサイ、ツクバネウツギ、リュウノウギク、サルナシ、オオハナワラビ、シロヨメナ、オオバヤシャブシ、タマアジサイ、キハギ、イヨカズラ、オカダイコン、ヤブレガサ、ヤマクルマバナ、イヌザンショウ、ミツバアケビ、シバヤナギ、イヌガヤ、ウド、ホトトギス、マユミ、ドクウツギ、コウヤボウキ、キクアザミ、ヤマアジサイ、ヒメシャラ、ウリハダカエデ、アセビ、ミヤコアザミ、オオアブラススキ、ネジキ