コロナ禍の終息はまだ来年以降になりそうですが、緊急事態宣言が解除されての久しぶりの観察会である(今年度2回目)。京浜急行三浦海岸駅前に集合9時46分発バスに乗車し、毘沙門天入口で下車。
「三浦海岸は崖の下に砂浜と塩性湿地が広がり、その先に岩礁がある、こういった海岸の構成は伊豆などと比べて結構貴重」と勝山会長からのお話しをうかがい、海岸に向かって歩き始める。 さっそく「この辺りのススキは内陸のものと違い、ハチジョウススキで、葉の幅は広く、葉縁が外に巻いている」と説明を受ける。
ハマナタマメの県内の確実な自生地は今回のコースである毘沙門のみである。大きな厚みのある豆果をさがす。一つ見つかるとそのあとからいくつかまだ緑色の実を見つけることができた。常緑のオオバグミは今花が咲いており、落葉のマルバアキグミは丸い実をつけていた。江名湾から西に伸びる毘沙門海岸にむかってゆっくり歩き、横浜では見られない晩秋の海岸植物を観察した。帰りも毘沙門天入口から14時53分発のバスに乗車し、三浦海岸駅に戻った。(佐々木シゲ子記 写真:渡辺重彦・佐々木シゲ子)
■当日観察した植物 (×印は果実が観察できた植物) ※詳細は年報に記載
〇オシダ科:オニヤブソテツ、〇コショウ科:フウトウカズラ×、〇ヤマノイモ科:ニガカシュウ、〇ユリ科:スカシユリ×、〇ワスレグサ科:ハマカンゾウ×、〇ヒガンバナ科:ハマオモト、〇クサスギカズラ科:クサスギカズラ×、〇カヤツリグサ科:イソヤマテンツキ×、コウボウシバ、ヒゲスゲ、ヒトモトススキ×、〇イネ科:アイアシ、カモノハシ×、ツルヨシ×、ハチジョウススキ×、ハマエノコロ×、〇ベンケイソウ科:タイトゴメ、〇マメ科:コシナガワハギ、ハマエンドウ、ハマナタマメ、ヒロハクサフジ、〇バラ科:カジイチゴ、テリハノイバラ、〇グミ科:オオバグミ、マルバアキグミ、〇イラクサ科:ハマヤブマオ、ラセイタソウ、〇ニシキギ科:マサキ、〇アブラナ科:ハマダイコン×、〇ナデシコ科:ハマナデシコ、〇ヒユ科:ハママツナ、ホソバハマアカザ、〇ハナミズキ科:ツルナ×、〇サクラソウ科:ハマボッス×、〇ヒルガオ科:アメリカネナシカズラ×、ハマヒルガオ、ナス科:クコ×、〇オオバコ科:トウオオバコ×、〇シソ科:ハマゴウ、〇キク科:イガオナモミ×、ツワブキ、ハチジョウナ、ヤクシソウ、ワダン、〇トベラ科:トベラ×、〇セリ科:アシタバ×、ハマゼリ×、ボタンボウフウ×。