活動報告

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都立長沼公園と東京薬科大学薬用植物園
植物観察会

2018.4.17


 天候は夕刻に降雨が予想される曇天であったが、朝10時に30名の参加者が京王線長沼駅の改札口の前に集合した。参加者に、幹事が準備した植物観察のルートを赤線で記した地図のプリントと、5日前に下見して作られた植物リストと、東京都の公園事務所から入手した長沼公園の案内書が配布された。
 ここから長沼公園に向かって歩き、山際の庚申塚の角で左折して山裾を西方に行き、植物観察を開始した。山裾には、花が咲いたカキドウシや、花の終わったカタクリが見られた。突き当りで右折して駐車場の脇を通り、カタクリが保護されている傾斜地に作られた細い山道を登り、長泉寺尾根に沿って植物を観察した。
 カタクリが保護されている山道の脇には、花を付けたチゴユリ、花を付けたタマノカンアオイ、ヤブレガサ、樹皮の青いウリカエデ、つぼみが付いたコアジサイ、花が開きかけたキンラン、花盛りのヤマツツジなどが観察された。尾根道を経て霧降の道に入り、さらに登って頂上園地に着いた。
 頂上園地から少し離れた場所に満開のヤマフジが見られ、花が咲いたニワトコや、小さなつぼみを付けたミヤマナルコユリが観察された。ここで一人が合流して参加者は31名になった。
この頂上園地には多数のベンチとトイレがあり、時間的に少し早かったが、11時20分から昼食を摂った。動かずに座っていると寒さを感じた。しばらく休憩後12時20分に出発した。ここから野猿の尾根道を辿って西方にある平山口へと歩いた。
 野猿の尾根道の脇には、奇麗な花を咲かせたニオイタチツボスミレ、つぼみが付いたハンショウヅル、花が咲いたエダウチチゴユリ、つぼみを付けたキンラン、花を付けたウグイスカグラなどが見られ、平山口の階段の近くには満開のジュウニヒトエが群落を作っていた。
 平山口の長い階段を降り、車道の信号を渡って南へ行き、左折して南陽台の住宅地の山裾にある道を東京薬科大学に向って歩いた。住宅地を通る道では、スミレ、ツボミオオバコ、白い花を付けたカラスノエンドウ等を観察した。住宅地を抜けてバス通りの歩道を西方に歩くと、山側にカラタチの白い花が咲いていた。
参加者は12時30分頃東京薬科大学の看板の傍を通り、大学の構内に入った。構内の通路の脇にある芝生の築山には、小さなヒメスミレの花が咲いていた。池を見下ろす道を辿り、薬用植物園の入り口に集合して、入門表に横浜植物会の見学者29名と記録した。
 薬用植物園の見学後には、各自帰りのバスに乗車して帰途に付くことに決め、ここで流れ解散にした。
薬用植物園に入ると 入り口付近には花がいっぱい咲いたゲッケイジュ、青い花のイチハツが見られた。園内を巡り歩き、何れも花を付けたケマンソウ、オサバグサ、ヤマブキソウ、ラショウモンカヅラ、ムサシアブミ、アカヤジオウ、ドクウツギなどを観察した。温室の中には熱帯の植物が植えてあり、カカオの木が多数の実を付けているのが印象に残った。
 14時近くに小雨が降り始めた。大学の門を出てバス停に行き、殆どの参加者は14時10分発の京王堀之内駅行きのバスに乗って帰途についた。
最後に小雨に降られたが、多くの春の花々に出会えた今回の植物観察会は、楽しい催しであった。
(担当運営委員:遠藤康彦、佐々木シゲ子、佐々木あや子)

当日観察した主な植物  APG体系(エングラー体系) 凡例:○:花,△:蕾,×:果実,□:種子

オシダ科:ミドリベニシダ・ヤブソテツ・リョウメンシダ、
アワブキ科:アワブキ△
イヌサフラン科(ユリ科):エダウチチゴユリ〇×・ホウチャクソウ○・チゴユリ○×
ウマノスズクサ科:タマノカンアオイ○
エゴノキ科:エゴノキ△
カバノキ科:アカシデ○、ガマズミ科(スイカズラ科):ガマズミ△・ニワトコ○・コバノガマズミ○
カヤツリグサ科:アオスゲ○・ヒメカンスゲ○
キク科:アオオニタビラコ〇・アカオニタビラコ○・フジバカマ・オケラ・カントウタンポポ〇・ノブキ・コウヤボウキ・コオニタビラコ○・ヤブタビラコ○・ヤブレガサ
キョウチクトウ科:テイカカズラ
キンポウゲ科:アキカラマツ・ニリンソウ○×・ハンショウヅル△・ヒメウズ○×・ボタンヅル・サラシナショウマ
クサスギカズラ科(ユリ科):アマドコロ○・ナルコユリ○・ミヤマナルコユリ○
クスノキ科:クロモジ×
ケシ科:ジロボウエンゴサク○・ムラサキケマン○×・ヤマブキソウ〇・オカタツナミソウ○
シソ科:ホトケノザ〇・ジュウニヒトエ○
シソ科(クマツヅラ科):ムラサキシキブ・ヤブムラサキ△
スミレ科:ヒメスミレ〇・アオイスミレ×・ナガバノスミレサイシン□・ニオイタチツボスミレ○・スミレ○・ツボスミレ○
セリ科:ヤブニンジン○×
ツツジ科:ナツハゼ△・ヤマツツジ○
ドクウツギ科:ドクウツギ〇
ニシキギ科:ツリバナ〇
ハナイカダ科(ミズキ科):ハナイカダ○
ハマウツボ科(ゴマノハグサ科):クチナシグサ〇
バラ科:ウワミズザクラ○・カマツカ△・コゴメウツギ△〇・ミツバツチグリ○
ブナ科:クヌギ〇×
マツブサ科(モクレン科):チョウセンゴミシ〇
マメ科:シロバナヤハズエンドウ〇
ムクロジ科(カエデ科):ウリカエデ×・エンコウカエデ×・マルバアオダモ○×
ユキノシタ科:アカショウマ・ヤマネコノメソウ×
ユリ科:カタクリ×・ヤマホトトギス
ラン科:トンボソウ・コクラン

ヤマツツジ
ニオイタチツボスミレ
ウワミズザクラ
クチナシグサ
ジュウニヒトエ
ツクバネウツギ

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