活動報告

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天神島・夏の海浜植物観察会
(横須賀市)

2017.7.13

 天神島・夏の海浜植物観察会は、昨年、臨海自然教育園の開園50周年に合わせ、企画したものでしたが、荒天のため今年に延期されました。真夏を思わせる天気、熱中症の心配がよぎります。JR逗子駅9:00に集合、9:15発佐島マリーナ行のバスに乗車、10:00観察地天神島に到着しました。参加者は25名でした。
大森雄治先生のご指導は、天神島保護区の説明からです。天神島と沖合に浮かぶ笠島と周辺海域を含み、陸地から海上まで伸びた境界線は、海面から海中までの保護区を表している。植物だけではなく、海藻類、海岸の動物、野鳥、昆虫など、その場所を生活圏としている生物すべてが保護の対象となっている。
先ずは、ハマオモトの自生地へ向かいます。園内で目にする場所は多々ありますが、北限自生地として保護されている場所です。開花し始めた花冠と蕾の白さが、逞しい葉の緑に映えます。歩みを進めると、カヤツリグサ科のヒトモトススキ、優に、1メートルを超す草丈、1株と言っても大迫力です。岩場へ回り込むと、南限のスカシユリ、ハマナデシコ、ハマボッス、タイトゴメと、代表的な海浜植物が花期を迎えていました。ヒユ科のウラジロアカザ、ホコガタアカザ、ホソバノハマアカザは、葉裏、葉形の違いを確認。浜香の字を当てるハマゴウは、薄紫の花が涼しげに咲き、葉を揉むと良い香りが漂います。ネコノシタの別名を持つハマグルマの葉は、ザラザラしていて不思議な感触、茎は長く浜を這っています。トベラは、葉を下反りにして、葉の乾燥を防ぎ、葉裏の気孔を守る防御の態勢を取っている、私たちが目にする姿とは明らかに違う海岸での姿です。
アカザ科のハママツナは満潮時に海水が浸る場所にも生える植物です。ハマウドは海岸が狭められると、ハママツナに生活域を取られ、クロマツ、タブノキの根元まで追いやられ、海岸線と平行して対峙していました。アオイ科のハマボウも自生地に育つ木は少なく、管理棟近くの木々は、種から育てられものです。
イネ科のケカモノハシの白く見える小穂は雌花、茶色く見える小穂は雄花、自家受粉を避ける為の雌性先熟の姿を観察しました。
植栽されたクワ科アコウの観察を最後に、内容の濃い2時間の植物観察を終了しました。空調の利いたビジターセンターの講座室へ移動し、総括と質問を受け散会しました。スカシユリの後には、ハマカンゾウが開花します。時期を改めて、出掛けることを勧められました。(水上記)

 

■当日観察した植物

ハマボウ、ハママツナ、ハマサオトメガズラ、ユウゲショウ、ハマダイコン、アイアシ、ケカモノハシ、ハマエノコロ、オオバウマノスズクサ、トウオオバコ、イソヤマテンツキ、ヒゲスゲ、ヒトモトススキ、オナモミ、ツワブキ、ハチジョウナ、ハマグルマ(ネコノシタ)、アオノリュウゼツラン(植栽)、アツバキミガヨラン(植栽)、クサスギカズラ、シロダモ、タブノキ、ハマゴウ、オオバグミ、マルバアキグミ、アコウ(植栽)、イヌビワ、ハマヒサカキ、ハマボッス、ハマウド、ハマゼリ、ママコノシリヌグイ、アオツヅラフジ、ツルナ、アカメガシワ、トベラ、ウシオハナツメクサ、ハマナデシコ、エノキ、オオシマザクラ、テリハノイバラ、マルバシャリンバイ、ハマオモト、ウラジロアカザ、オカヒジキ、ホコガタアカザ、ホソバノハマアカザ、ハマヒルガオ、エビヅル、ノブドウ、タイトゴメ、クロマツ、ハマエンドウ、フジ、ミヤコグサ、カラスザンショウ、オオバイボタ、ヒメユズリハ、スカシユリ、オリズルラン(植栽)

アオツヅラフジ
トベラ(海岸型)
スカシユリ
クサスギカズラ
ヒトモトススキ
ハマボウ
ハマナデシコ
ハマゴウ
ハマオモト(ハマユウ)
観察風景・大森顧問のご指導

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