活動報告

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佐渡ドンデン山の植物観察会
2016.5.29-31

 29日朝、37名がバスで横浜を出発、長いトンネルを抜けて新潟県に入り、新潟港からバスと一緒にフェリーに乗り、15時半に佐渡の両津港に着いた。
 初日は、近くの姫崎付近を観察場所に選んだ。姫崎灯台の近くに駐車し、海岸に向かって歩いて植物観察を開始した。海岸に出る細い遊歩道の脇にイワユリ、ヒロハヘビノボラズ、ハマハタザオ、ハマボッス、ツタウルシ、ハマヒルガオ、シャリンバイなどを観察した。しかし、遊歩道が一部破損していて、植物に近付ける海端にでられず、引き返して別の道から海岸に出た。海岸付近には白い花をつけたオドリコソウ、ハマエンドウ、ウラシマソウなどを観察した。駐車場所の近くにあった畑の周辺で、シロノジシャ、ウマゴヤシ、コメツブツメクサ、ウツボグサ、ミヤコグサ、カスマグサなどを観察した。加茂湖に面した温泉宿の花月に宿泊した(連泊)。

 翌日は主目的のアオネバ渓谷とドンデン山の植物観察をした。バスで海岸沿いの道と山道を走り、9時頃にアオネバの登山口に到着。ここでA,Bの2グループに分かれ、Aグループはアオネバ渓谷に沿った標高差が500m余ある登山道を歩いた。この登山道は、植物相が豊富なことで知られ、白い花をつけたサワフタギや、コケイラン、トケンランなどの珍しい植物が次々に発見され、歩行が遅くなって、昼食を摂る時間が足りなくなった。
 Bグループは、バスで坂道を登り、ドンデン駐車場で降り、ここからドンデン山荘まで登った。ドンデン山荘の人にお花畑の所在を聞いたところ、シラネアオイが早く咲いたのでもう花がないということであった。
 Bグループはドンデン山荘脇から尻立山に向かう山道を登り始めた。この山道で、エゾユズリハ、エチゴキジムシロ、レンゲツツジなどを観察した。尻立山の山頂に着き、次いでドンデン池に向った。山道の脇でアキグミ、ヒメハギ、アマナ、ウラジロヨウラク、ヒロハヘビノボラズなどが観察された。ドンデン池に近い草原で昼食を摂り、避難小屋を経てアオネバ十字路に向かう山道を歩いた。山道は途中から林道になり、アオネバ十字路への分岐点から再び山道を歩いた。この分岐点の近くに、シラネアオイが2輪咲き残っているのを見付けた。分岐点からアオネバ十字路に続く山道の脇に、ヤマトグサやスズムシソウ、ヒメヘビイチゴ、ギンラン、コウライテンナンショウなどを観察した。14時にアオネバ十字路に到着し、ここでAグループとBグループが鉢合わせした。
 一部の健脚メンバーはここから、マトネへ登る山道に入り、途中から引き返すルートを歩き、他のメンバーは分岐点を経てドンデン山荘へ向かう山道を辿った。
 ドンデン山荘に予定より早く到着したメンバーは、休息したり、周囲を散策したりして時間を過ごした。16時に黄色い花のウマノアシガタが咲くドンデン駐車場へ集まり、バスで宿に帰った。

 3日目は、バスで大佐渡の北部へと走り、長いカーブのあるトンンネル抜け、約1時間後にトビシマカンゾウの花で彩られた大野亀の駐車場に到いた。ここでトビシマカンゾウを背景にした写真を撮った。次いで二手に分かれて植物観察を開始し、多くのメンバーは、大野亀周辺の草原を歩いて植物観察をした。この草原に見られた植物の種類は少なく、トビシマカンゾウの他にアサツキやシオデなどを観察した。
 他の十余名は二つ亀に近い集落に伸びる、草が刈り込まれた遊歩道を歩き、一部は二つ亀付近まで足を伸ばして植物観察をした。この遊歩道では、エゾノクロウメモドキ、サワハコベ、マンセンカラマツ、セリモドキ、エゾミミナグサ、エゾヒナノウスツボ、ベンケイソウなどの植物を観察した。
 11時に駐車場へ戻り、バスで両津港に向かい、バスと一緒に両津港からフェリーに乗って新潟港に着いた。バスはそのまま信越道に入り、信越道から環状8号と第三京浜を経て20時20分に、横浜に帰着。 今回の観察会は、予報では雨が降るとされていたが、夜間を除いて雨は降らず、快適な観察会を楽しむことが出来た。

担当:市川正美、中村洋一、遠藤康彦(紹介文)、
事務局;渡辺重彦
写真:辻和夫、中村洋一

指導:長谷川義人顧問

当日観察した主な植物 (花・実などの記録は主なもの)
(難波昭雄、五十嵐 愛)           

佐渡島ドンデン山他で観察された主な植物を抜粋したリスト
記録:長谷川顧問、佐々木あや子、渡辺重彦(ドンデン山Bコース)

◎姫埼灯台附近(5月30日)
○タケ科:メダケ、ヤダケ
○サトイモ科:ウラシマソウ
○ユリ科:イワユリ、ヤマアマドコロ
○ヤナギ科:カワヤナギ、イヌコリヤナギ
○ナデシコ科:ハマツメクサ、マンテマ
○イラクサ科:カタバヤブマオ、オニヤブマオ
○タデ科:ケイタドリ、アレチギシギシ、ノダイオウ
○キンポウゲ科:ボタンヅル、アキカラマツ
○メギ科:ヒロハヘビノボラズ
○ツヅラフジ科:アオツヅラフジ
○アブラナ科:ハマハタザオ
○ベンケイソウ科:キリンソウ、ベンケイソウ
○ウルシ科:ツタウルシ
○バラ科:ウワミズザクラ、シャリンバイ、ハマナス、テリハノイバラ、ツシマナナカマド
○マメ科:ハマエンドウ、ウマゴヤシ、カスマグサ
○カタバミ科:フシネハナカタバミ
○ニシキギ科:オニツルウメモドキ、オオバマユミ、エゾオオバマユミ
○カエデ科:エゾイタヤ、
○クロウメモドキ科:ケンポナシ、エゾクロウメモドキ
○ブドウ科:ナツズタ、サンカクヅル、エビヅル
○グミ科:ウラギンツルグミ、アキグミ
○セリ科:ハマイブキボウフウ
○ミズキ科:ヒメアオキ、クマノミズキ
○サクラソウ科:ハマボッス
○ヒルガオ科:ハマヒルガオ
○ムラサキ科:スナビキソウ、○シソ科:オドリコソウ、ヒメシロネ、ウツボグサ
○ゴマノハグサ科:エゾヒナノウスツボ
○スイカズラ科:キンギンボク、アラゲヒョウタンボク、ニワトコ、サンゴジュ
○キク科:オオヨモギ
○アカネ科:クルマバソウ、ハマサオトメカズラ

◎ドンデン山(Aコース)
○タケ科:チシマザサ
○カヤツリグサ科:サドスゲ、コシノホンモンジスゲ
○サトイモ科:コウライテンナンショウ、ヒロハテンナンショウ、ウラシマソウ、ザゼンソウ
○ユリ科:オオウバユリ、クルマバツクバネソウ、オオナルコユリ、ユキザサ、シオデ、 エンレイソウ、
     アオヤギソウ、○ヤマノイモ科:ウチワドコロ、オニドコロ、
○ラン科:ギンラン、ササバギンラン、サイハイラン、トケンラン、スズムシソウ、 ヒメフタバラン、
     ミヤマフタバラン、コケイラン
○センリョウ科:ヒトリシズカ
○ヤナギ科:ヤマナラシ、バッコヤナギ、オオキツネヤナギ
○カバノキ科:ツノハシバミ
○クワ科:ヤマグワ
○イラクサ科:アカソ、ウワバミソウ、ムカゴイラクサ、エゾイラクサ
○ウマノスズクサ科:ウスバサイシン
○ナデシコ科:サワハコベ、ミヤマハコベ
○キンポウゲ科:ヤマトリカブト、オオミスミソウ、ヤマオダマキ、オオヤマオダマキ、 ボタンヅル、
        シラネアオイ、ヤマシャクヤク、シギンカラマツ、ミヤマカラマツ
○メギ科:ルイヨウボタン
○クスノキ科:オオバクロモジ
○アブラナ科:コンロンソウ
○ユキノシタ科:ツルアジサイ、エゾアジサイ、ヤグルマソウ、クロクモソウ、ズダヤクシュ
○バラ科:コシジシモツケソウ、ヒメヘビイチゴ、ウワミズザクラ、クマイチゴ
○カタバミ科:エゾタチカタバミ、エゾミヤマカタバミ
○ミカン科:ミヤマシキミ、
○ヒメハギ科:ヒメハギ
○ユズリハ科:エゾユズリハ
○トウダイグサ科:ナツトウダイ
○ドクウツギ科:ドクウツギ
○ウルシ科:ツタウルシ
○ミツバウツギ科:ミツバウツギ
○ブドウ科:ヤマブドウ、エビヅル
○マタタビ科:マタタビ
○ツバキ科:ヒサカキ
○スミレ科:アオイスミレ、オオタチツボスミレ、ナガハシスミレ、スミレサイシン
○ジンチョウゲ科:ナニワズ
○グミ科:トウグミ、アキグミ
○アカバナ科:ウシタキソウ、ミズタマソウ
○アリノトウグサ科:アリノトウグサ
○ヤマトグサ科:ヤマトグサ
○ウコギ科:オニウコギ、ハリギリ、トチバニンジン
○セリ科:アマニュウ、シシウド、セントウソウ、セリモドキ、オオハナウド、ヤマゼリ
○ミズキ科:ヒメアオキ、タカネミズキ、ハナイカダ
○イワウメ科:オオイワカガミ
○イチヤクソウ科:ウメガサソウ、ギンリョウソウ
コバノイチヤクソウ、マルバノイチヤクソウ
○ツツジ科:ハナヒリノキ、ウラジロヨウラク、ガクウラジロヨウラク、レンゲツツジ、ホツツジ
○サクラソウ科:ナガエコナスビ
○ハイノキ科:サワフタギ、タンナサワフタギ
○リンドウ科:アケボノソウ、ツルリンドウ
○シソ科:オドリコソウ、ウツボグサ、デワノタツナミソウ、イブキジャコウソウ、
○ゴマノハグサ科:シオガマギク、クガイソウ
○ウリ科:スズメウリ
○アカネ科:エゾヨツバムグラ、オオバノヤエムグラ、ツルアリドオシ、オオアカネ、
○スイカズラ科:アラゲヒョウタンボク、オオカメノキ、ヒロハゴマギ、タニウツギ、
○キキョウ科:フクシマシャジン、タニギキョウ
○キク科:ゴマナ、コウモリソウ、 オクヤマコウモリ、ヨブスマソウ、オオカニコウモリ、サジガンクビソウ、
     オオガンクビソウ、サドアザミ、ハナニガナ、オオバナハナニガナ、ハンゴンソウ、オヤマボクチ

◎ドンデン山(Bコース)
○タケ科:ネマガリタケ(チシマザサ)
○サトイモ科:ミズバショウ、ザゼンソウ
○ユリ科:アマナ、オオウバユリ、ユキザサ、エンレイソウ、コバイケイソウ
○ラン科:ギンラン、ササバギンラン
○ナデシコ科:ミミナグサ、ミヤマハコベ、○キンポウゲ科:ヤマトリカブト、ヤマオダマキ、
       シロバナハンショウヅル、シラネアオイ、ヤマシャクヤク、ウマノアシガタ
○メギ科:ヒロハノヘビノボラズ
○クスノキ科:オオバクロモジ
○アブラナ科:ヤマハタザオ
○ベンケイソウ科:キリンソウ
○ユキノシタ科:トリアシショウマ、エゾアジサイ、ヤグルマソウ、ズダヤクシュ
○バラ科:エチゴキジムシロ、ハマナス、クマイチゴ
○ユズリハ科:エゾユズリハ
○ウルシ科:ツタウルシ
○グミ科:アキグミ
○アリノトウグサ科:アリノトウグサ
○ヤマトグサ科:ヤマトグサ
○ミズキ科:ヒメアオキ
○イワウメ科:オオイワカガミ
○ツツジ科:ウラジロヨウラク、ハクサンシャクナゲ、 レンゲツツジ、ホツツジ
○ハイノキ科:サワフタギ
○モクセイ科:デワノタツナミソウ
イブキジャコウソウ
○アカネ科:ツルアリドオシ
○スイカズラ科:オオカメノキ、タニウツギ
○キキョウ科:タニギキョウ
○キク科:ヤマホオコ(ヤマハハコ)、オオカニコウモリ、タイアザミ(トネアザミ)、 ハンゴンソウ、
     エゾタンポポ

◎大野亀附近(5月31日)
○カヤツリグサ科:コシノホンモンジスゲ
○サトイモ科:コウライテンナンショウ
ウラシマソウ
○ユリ科:アサツキ、キジカクシ、トビシマカンゾウ、イワユリ
○クワ科:ヤマグワ
○イラクサ科:ヤブマオ
○タデ科:オオイタドリ
○ナデシコ科:オオバミミナグサ、ハマハコベ
○キンポウゲ科:シギンカラマツ、 マンセンカラマツ
○メギ科:ヒロハヘビノボラズ
○ベンケイソウ科:キリンソウ、メノマンネングサ
○マメ科:ハマエンドウ、メドハギ
○カタバミ科:ケカタバミ
○ウルシ科:ツタウルシ
○クロウメモドキ科:エゾノクロウメモドキ
○ブドウ科:ナツヅタ
○スミレ科:オオタチツボスミレ
○グミ科:アキグミ
○セリ科:シシウド、ホタルサイコ、オオハナウド、ヤマゼリ
○ミズキ科:ヒメアオキ
○クマツヅラ科:ヒメイワダレソウ
○シソ科:オドリコソウ、ウツボグサ
○スイカズラ科:ヒョウタンボク(キンギンボク)
○キキョウ科、ハマツリガネニンジン
○キク科:オトコヨモギ、オオヨモギ、タマバシロヨメナ、ヒロハホウキギク、ナンブアザミ、ハナニガナ、
     ホクリクトウヒレン、トガヒゴタイ、タムラソウ、オニノゲシ

タニウツギ
スズムシソウ
ウラジロヨウラク
シラネアオイ
ヒロハヘビノボラズ
大野亀(トビシマカンゾウ)

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